関節にたまったお水を抜いても、再び溜まってくることがあります。このことから、良く患者さんは”関節の水を抜くと癖になる”とおっしゃいます。これは実は癖になっている訳ではなく、関節に炎症があるために再び溜まってしまうのです。要は徐々に関節の炎症が収まってくれば、お水は溜まらなくなってきます。
関節にお水がたまった場合、程度にもよりますが、注射器で抜くことがあります。関節にお水がたまった状態ですと痛みや違和感の原因になりますし、溜まった状態で放っておくと筋肉の力が弱ってしまうので、診察の際、1〜2週間に一度程度治療を行います。
僕の場合、膝の変形性関節症患者さんへ、外来通院で1週間に1回、関節内注射を行います。関節内注射で使っている薬は、皆さんも良くご存知だと思いますが『ヒアルロン酸』という注射です。ヒアルロン酸は軟骨の主成分の一つで、変形性関節症の場合、ヒアルロン酸の量が減っていることがわかっています。そのため、外から注射で補ってあげています。
関節内注射の一つの目安は、5本、としています。良くなる方はおおよそ5本行うと症状が軽くなります。
グリコサミン、もしくはコンドロイチンはヒアルロン酸同様、関節軟骨の主要構成成分の一つです。しかしこれらを内服した場合、一度分解して吸収され、それが関節軟骨へ運ばれていかなくてはなりません。また、現在までに、はっきりとこの効果を示した報告は無く、僕自身は効果はあまりないと考えています。