変形性関節症の治療法には段階に応じていくつかの治療法があります。
治療法には大きく分けて、保存的治療、手術的治療の2種類があります。
変形性関節症の初期には保存的治療を行います。保存的治療には、
があります。症状にあわせて医師が治療法を選択します。
手術的治療は、保存的治療を行っても症状が改善しない患者さんに行います。
手術的治療にもいくつかの選択肢があります。
ここでは岐阜大学整形外科関節班で主に行っている治療法について、股関節、膝関節に分けて解説します。
基本的には関節温存が可能な股関節に対しては、積極的に骨切り術による関節温存手術を行っています。また、日本人の場合、”臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)”といって、股関節の骨盤側の屋根の作りが浅い人が多いため、骨盤側の骨を切り、屋根のかぶりを改善するような手術をします。
1、寛骨臼回転骨切り術(RAO)
主に臼蓋形成不全を伴う前〜初期股関節症に対して行います。手術は骨盤の骨を切って移動することにより、より安定した股関節を再建することを目標とします。
3、 回転骨切り術(前方回転、後方回転)
大腿骨頸部の下の部分を骨切りし、骨頭部分を回転させ健常部分の関節軟骨を荷重部位に回転させる手術です。主に特発性大腿骨頭壊死症に対して行われる手術 です。
4、 人工関節置換術
人工股関節ページで詳しく解説します。
現在我々が行っている手術には、初期関節症で半月板損傷などを伴う痛みの強い症例には関節鏡を用いた手術、進行期〜末期関節症の患者さんに対しては、片側置換型人工膝関節(UKA)、人工膝関節置換術(TKA)を行っています。
1、関節鏡視下手術
この方法は、5mm程度の太さの内視鏡を関節の中に挿入し、内視鏡カメラで見ながら、関節内を観察し治療する方法です。軟骨自体を修復させることはできませんが、半月板損傷を伴うような初期変形性関節症の患者さんが適応になります。
2、人工膝関節置換術
人工膝関節のページで詳しく解説します。